南アルプスはこうして高くなった

今から約500万年前に、本州に衝突してきたフィリピン海プレートは、糸魚川・静岡構造線の西側の土地を北西方向に押し続けています。

その結果、南アルプスが隆起したわけですが、実際はどのように山が出来ていったのでしょうか。

甲府盆地から、南アルプスの高山へは、山地が階段状に高度を増して、その間に何本の断層線が走っています。

断層というと、地盤のどちらか一方が落ちたと考えがちですが、この場合は一方が持ち上がったと考えられています。
これを「逆断層」といいます。

断層を見ることで、どのくらい地盤が上昇したかわかるのですが、甲府盆地側では、300メートルほどの断層が見られます。
ここには30万年前の泥流が流れていることから、山麓の丘陵は1年に1ミリの隆起ということです。

しかし、山頂部ではこの70年間で約30センチの隆起が確認されています。
1年間で約4ミリです。

山の隆起量は、山頂に近くなるほど大きくなることがわかります。

このように、南アルプスは北西方向から押す力により、一方が高くなった逆断層であるということがわかります。

日本の山の成り立ち

山の成り立ち、その中でもとりわけ重要な日本の真ん中に位置する日本アルプスを中心にその成り立ちを見ていきます。

  • 日本の山はどうやって高くなったのか…地質年代で言うと、180万年~現在のことを「第四紀」といいますが、日本列島の山が高くなっていったのは、この年代の出来事のようです。
  • 南アルプスはこうして高くなった…今から約500万年前に、本州に衝突してきたフィリピン海プレートは、糸魚川・静岡構造線の西側の土地を北西方向に押し続けています。
  • 北アルプスはこうして高くなった…北アルプスの隆起のメカニズムは、この山地を東側から激しく圧縮する巨大なエネルギーであることが最近の研究でわかっています。
  • 山の形はどうやって決まるのか…日本の山地のほとんどは、1500万年前になだらかになった地形が出発点なのですが、その後の隆起量や侵食量の違い、山地を構成する岩石の違いによって、険しい山になったり、なだらかな山になったりしています。

このページの先頭へ