化石周氷河地形

樹林帯の斜面にケガをしそうな鋭い角度で割れた1m以上もある大きな岩がゴロゴロしていることがあります。

岩はすでにコケむして黒くなり、まったく動いた様子はありません。

なぜ、このような樹林帯の中に大きな岩があるのか、その謎を解いていきましょう。

これは、氷期に凍結破砕作用で生産された大きな岩屑が周氷河作用で動いていた岩塊流で、現在ではもう動きを止めてしまったもので、化石周氷河地形のうちの「化石岩塊流」といわれています。

氷期が終わってからすでに1万年以上経っているのに、植生が入っていません。流紋岩や安山岩の場合、氷期に生産された礫があまり大きくならなかったので、氷期が終わるとともに植生に覆われてしまったようです。

そのため、このような化石岩塊流は花崗岩地帯に多く見ることができます。

このように植生を許さない頑強な花崗岩の化石岩塊流、手軽に観察できる場所としては、新穂高温泉周辺の穂高側の斜面で見ることができます。

山が作るさまざまな地形

氷河をはじめとして、山が作る地形にはさまざまな顔があります。
温泉との関連性についても調べてみました。

  • 日本にもあった氷河…山がさらに高いと水ではなく、氷河の浸食の力を受けて、丸いノミで削られたような地形になります。
  • 氷河がみられた場所…日本の山で氷河地形が確認されているのは、本州では北アルプス・南アルプス・中央アルプスの3山脈、それに加え北海道の日高山脈の4つの山脈です。
  • ソリフラクション…凍結破砕作用によって岩が砕かれ、その礫が霜や氷の力で動くことをソリフラクションといいます。
  • 化石周氷河地形…なぜ、このような樹林帯の中に大きな岩があるのか、その謎を解いていきましょう。
  • 山地で見られる湖沼…氷食湖についでよく見られるのが「火口湖」です。
  • 火山と温泉…わが国には、2000箇所以上もの温泉がありますが、日本の温泉の大部分は火山に関係があります。

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