山の形はどうやって決まるのか

日本の山地のほとんどは、1500万年前になだらかになった地形が出発点なのですが、その後の隆起量や侵食量の違い、山地を構成する岩石の違いによって、険しい山になったり、なだらかな山になったりしています。

前項でも述べた通り、日本アルプスは糸魚川・静岡構造線を境に、東南・東方向から非常に大きな圧力がかかり、そのため第四紀になってからもっとも隆起した地域となっています。

そのほかに、隆起量の大きい山地としては、東北地方南部の飯豊山地、越後山地、関東山地、またその外側の紀伊山地、四国山地、九州山地があげられ、急峻な山と深い渓谷になっています。
しかし、紀伊山地以西の外帯の山には2000m級の山はありません。

これは、いくら隆起量が大きくても、隆起の時代に差があると、その後の侵食の時間から地質は同じでも山の形に大きく差が出ます。

また、同じ時代に隆起した山地でも地質の違いにより、全く違った雰囲気の山容を見せる場合もありますし、なだらかな山稜に侵食に強い岩石がピークとして残っているという例もあります。

日本の山の成り立ち

山の成り立ち、その中でもとりわけ重要な日本の真ん中に位置する日本アルプスを中心にその成り立ちを見ていきます。

  • 日本の山はどうやって高くなったのか…地質年代で言うと、180万年~現在のことを「第四紀」といいますが、日本列島の山が高くなっていったのは、この年代の出来事のようです。
  • 南アルプスはこうして高くなった…今から約500万年前に、本州に衝突してきたフィリピン海プレートは、糸魚川・静岡構造線の西側の土地を北西方向に押し続けています。
  • 北アルプスはこうして高くなった…北アルプスの隆起のメカニズムは、この山地を東側から激しく圧縮する巨大なエネルギーであることが最近の研究でわかっています。
  • 山の形はどうやって決まるのか…日本の山地のほとんどは、1500万年前になだらかになった地形が出発点なのですが、その後の隆起量や侵食量の違い、山地を構成する岩石の違いによって、険しい山になったり、なだらかな山になったりしています。

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