スコリアと軽石
溶岩が流出して固まると火山岩になりますが、マグマが噴出する前に激しくガスによって泡立ち、爆発によって小さな破片となって空中に放出されると、スコリアや軽石といった別の物質が作られます。
スコリアというのは、玄武岩や有色鉱物の多い苦鉄質の安山岩などに、ガスが逃げだすための小さな穴が開いた暗黒色や暗褐色のコークス状のものです。
富士山からは、このスコリアを含め、多くの火山灰が噴出していますが、とくに神奈川県に広がる丹沢山塊の南斜面では噴出物が偏西風によって運ばれてきたものが約60メートルにもなっています。
山頂のなだらかな丹沢山では、現在でもスコリアが積もっているのが分かります。
軽石は、ケイ長質の安山岩や流紋岩などの溶岩が、発砲して灰色や白色になって固まったものですが、これをよく観察すると、ほとんどがガラス質の繊維状のものであることがわかります。
この軽石も噴出とともに遠くに運ばれて、火山灰の中に軽石層を作っています。
山が作るさまざまな岩石
山ができる過程で作られていく岩石について、種類別にまとめました。
岩石のさまざまな特性を見てみましょう。
- 深成岩の代表「花崗岩」…火山岩の流紋岩に対応するケイ長質と言われる深成岩です。
- 独特な深成岩「蛇紋岩」…深成岩の一種ですが、成り立ちが非常に独特で、地形やその植生に大きく影響を与える岩石として知られています。
- 深成岩と半深成岩…一般には石英閃緑岩として出てくることが多いようです。
- 堆積岩…岩石が風化作用で細かくなり、水や風の力などで運ばれて堆積したものを堆積岩と呼びます。
- 石灰岩のできるしくみ…なぜ日本にそんなに多くの石灰岩があるのでしょうか?
- 変成岩…多種多様な変成岩がありますが、ここでは山と関連の深いものを4つほど挙げていきます。
- スコリアと軽石…スコリアや軽石といった別の物質が作られます。
- 岩石の節理…岩石にはその岩石特有の割れ方があり、これを節理と言います。
- 岩石の風化のしくみ…岩は礫になり、砂になり、最後は粘土に変化していきます。